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2025年ここが変わった!心肺蘇生法【最新ガイドラインのポイント】

2025年、心肺蘇生のガイドラインが更新されました

「また変わるの?」と思った方もいるかもしれません。

でも、ガイドラインの更新は、最新のエビデンスに基づいて、より良い蘇生を目指すためのものです。この記事では、CPRガイドライン2025の主な変更点を整理します(1)。


変わらない大原則:質の高いCPR

まず確認しておきたいのは、変わらない大原則です(1)。

✅ 質の高い胸骨圧迫(変更なし)

項目 基準
圧迫の深さ 少なくとも5 cm(6 cmを超えない)
圧迫のテンポ 100〜120回/分
圧迫の解除 毎回、胸壁を完全に戻す
中断の最小化 中断時間を10秒以内に

「強く、速く、絶え間なく」という基本は変わりません(1)。


ポイント1:早期のエピネフリン投与

エピネフリン投与のタイミングは重要です(1,2)。

💡 エピネフリン投与の推奨

  • Non-shockable rhythm(Asystole/PEA):できるだけ早期に投与
  • Shockable rhythm(VF/pVT)初回または2回目の除細動後に投与を検討

Perkins GDらのPARAMEDIC2試験(N Engl J Med 2018)では、エピネフリン投与群で30日生存率が有意に高かったことが報告されています(2)。

💡 臨床のコツ

静脈路確保に時間がかかる場合は、骨髄路(IO)を積極的に活用しましょう(1)。


変更点1:二重連続除細動(DSD)への言及

難治性VF/pVTに対する二重連続除細動(Double Sequential Defibrillation: DSD)についても、新たに言及されています(1,3)。

📋 二重連続除細動(DSD)とは

  • 2台の除細動器を使用
  • 2つのパドルを異なる軸に配置
  • 連続して(または同時に)2回の除細動を行う

注意:ルーチンでの使用は推奨されていません。通常の除細動に反応しない難治性VF/pVTに対する選択肢の一つです(3)。


変更点2:ECPR(体外式心肺蘇生)の位置づけ

ECPRについても、より具体的な推奨が示されています(1,4)。

📊 ECPRの適応(考慮される条件)

  • 若年者(65歳未満が目安)
  • 目撃のある心停止
  • 初期リズムがShockable rhythm
  • 可逆的な原因が疑われる(AMI、肺塞栓など)
  • 短い心停止時間(CPR開始から60分以内がECMO導入の目安)
  • 質の高いCPRが継続されている

Yannopoulos DらのARREST試験(Lancet 2020)では、適切な症例選択のもとでECPRが生存率を改善する可能性が示されています(4)。


変更点3:心停止後ケアの強調

ROSC後の管理についても、重要な更新があります(1,5)。

✅ ROSC後ケアのポイント

  • 体温管理療法(TTM):32〜36℃で少なくとも24時間維持
  • 血行動態管理MAP ≥ 65 mmHgを目標
  • 酸素化:過度の高酸素を避ける(SpO₂ 92〜98%を目標)
  • 血糖管理:高血糖を避ける(180 mg/dL未満を目標)

MAPが言及されたのが、個人的にもポイントかなと思いました。

Roberts BWらの研究(Circulation 2018)では、ROSC後の高酸素血症が死亡率上昇と関連することが示されています(5)。


まとめ

✅ CPRガイドライン2025の主な変更点

  1. 二重連続除細動:難治性VF/pVTに対する選択肢
  2. ECPR:適切な症例選択のもとで考慮
  3. ROSC後ケア:過度の高酸素を避ける、TTMの継続

変わらない大原則:質の高い胸骨圧迫(強く、速く、絶え間なく)


引用文献

  1. Panchal AR, Bartos JA, Cabañas JG, et al. Part 3: Adult Basic and Advanced Life Support: 2025 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care. Circulation. 2025
  2. Perkins GD, Ji C, Deakin CD, et al. A Randomized Trial of Epinephrine in Out-of-Hospital Cardiac Arrest. N Engl J Med. 2018;379(8):711-721.
  3. Ross EM, Redman TT, Harper SA, et al. Dual Defibrillation in Out-of-Hospital Cardiac Arrest: A Retrospective Cohort Analysis. Resuscitation. 2016;106:14-17.
  4. Yannopoulos D, Bartos J, Raveendran G, et al. Advanced Reperfusion Strategies for Patients With Out-of-Hospital Cardiac Arrest and Refractory Ventricular Fibrillation (ARREST): A Phase 2, Single Centre, Open-Label, Randomised Controlled Trial. Lancet. 2020;396(10265):1807-1816.
  5. Roberts BW, Kilgannon JH, Hunter BR, et al. Association Between Early Hyperoxia Exposure After Resuscitation From Cardiac Arrest and Neurological Disability. Circulation. 2018;137(20):2114-2124.

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