🎥 動画で学ぶ
5ステップで「力」を見つけたら、次は「原因」を探る [00:01]
前々回と前回と、かなり長編の動画が続きましたね。
今回は、サクッとまとめるような内容になります。
これまで学んだ基本3つの講座を見ることで、今後は一つ一つ例題を解いていけるようになるわけです。その例題のそれぞれの計算編と解釈編ができるようになると思います。
なので、最後にこの5つの病態っていうものを意識した上で、じゃあこれから例題で解いていくような問題たちが、それぞれの病態の何に該当するかっていうところをね、ぜひ考えていってもらう時間にしてもらえたらなと思います。
復習:体の中の「力」を解き明かす [00:57]
体の中の力を解き明かすっていうのが、この血液ガス分析の計算のポイントだったわけですよね。
🔄 体の中で働く4つの力
- 呼吸性アシドーシス
- 呼吸性アルカローシス
- 代謝性アシドーシス
- 代謝性アルカローシス
これらの力が、体の中にある最大3つ合併しうるっていうところを押さえておきましょう。
そして、5ステップによって、どの力があるかっていうところまでは分かったわけです。
じゃあ、それぞれの力が何が原因で、代謝性のアルカローシスになっているとか、アニオンギャップ開大性のアシドーシスになっているっていうような原因を探っていくっていうのが、ここからの過程になるわけですよね。
ここまではあんまり考えなくても計算できたと。だから、ここからはそれぞれの原因を知っとかないといけないわけですよね。
病態1:アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシス [01:55]
まず、アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシス。
これに関しては、以前の動画でも少し説明していきましたけど、一番大事なところになるので、何度でもここは復習していこうと思います。
🧪 アニオンギャップ開大 = 揮発性酸が溜まっている
このアニオンギャップが開大しているっていうのは、ポイントとしてこの揮発性酸というものが溜まっていることを暗に示しているっていうのがポイントだったわけです。
🚨 アニオンギャップ開大の原因(すぐ介入が必要!)
1. 乳酸アシドーシス [02:51]
原因:ショック、組織低灌流
対応:ショックの原因を是正する(輸液、昇圧薬、感染源コントロールなど)
2. ケトアシドーシス [03:21]
原因:糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、アルコール性ケトアシドーシス、飢餓
揮発性酸の正体:βヒドロキシ酪酸(ケトン体)
対応:インスリン投与、輸液、電解質補正
3. 腎不全(尿毒症性アシドーシス)
原因:腎機能障害により、揮発性酸(リン酸、硫酸など)が排出されない
対応:透析、原疾患の治療
4. 中毒
原因:メタノール、エチレングリコール、サリチル酸などの外因性の酸
対応:解毒物質の使用、透析、暴露の回避
これらですね、アニオンギャップが開大する原因になるような奴らっていうのはやばい奴らばっかりなんですよ。
乳酸アシドーシスになるのはショックだったりするわけですから、ショックをすぐに是正しないといけないとか。
腎機能障害があることで、この尿毒症性のアシドーシスになるよっていうこととか。
ケトアシドースとか、中毒とかですね。
だから、アニオンギャップが開大している時っていうのは、こういうやばい病態が隠れてるんだっていうところを意識するっていうのがすごく大事になります。
💡 吹き出し|三谷コメント
「アニオンギャップ開大を見たら、まず『ショックじゃないか』『ケトアシドーシスじゃないか』『腎不全じゃないか』『中毒じゃないか』って、この4つをすぐに頭に浮かべるんだ。どれも命に関わるから、迅速な対応が必要だよ。」
病態2:アニオンギャップ非開大性の代謝性アシドーシス [04:19]
じゃあ、アニオンギャップ非開大性の代謝性アシドーシスっていうのはどうなるんですかっていうことを考えると、これはですね、アニオンギャップに該当するような揮発性酸以外のところが動くってなると、やっぱりこのHCO₃⁻とか、このH⁺というものがどういう風に動くかっていうところを意識するといいかなと思います。
加えて計算できるクロール(Cl⁻)ですね。
📊 アニオンギャップ非開大性アシドーシスの原因
1. 下痢
機序:腸液(HCO₃⁻を含む)が大量に喪失する
対応:輸液、電解質補正、下痢の原因治療
2. 尿細管性アシドーシス(RTA)
機序:腎臓のHCO₃⁻再吸収やH⁺排泄の障害
対応:HCO₃⁻の補充、原疾患の治療
3. 生理食塩水の大量投与 [05:16]
機序:クロール(Cl⁻)が過剰に投与される
詳細:生理食塩水のCl⁻濃度は約154 mEq/L。体内のCl⁻は約108 mEq/Lなので、約1.5倍のCl⁻を体に投与することになる
対応:リンゲル液など、よりバランスの取れた輸液に切り替える
⚠️ ショックと生理食塩水の関係 [06:07]
ここで重要なポイントがあります。
ショックの時っていうのは、アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシスになることが多いわけですよね、乳酸が高いので。
なので、ショックの時にこの生理食塩水をたくさん投与すると、さらにアシデミアに傾いてしまうので、よくね、リンゲール液とかを使いましょうっていうのを言われるのはそういう理由だったりします。
この生理食塩水っていうのは、たくさん投与することでアシデミアがどんどん進むっていうのは、体にとって好ましくない状態になるんですね。特にショックの場合などは注意しましょうということです。
💡 吹き出し|あつし
「ショック患者に大量輸液するときは、生理食塩水よりもリンゲル液の方がいいんだ。生理食塩水はCl⁻が多すぎて、アシドーシスをさらに悪化させちゃうからね。」
病態3:代謝性アルカローシス [06:59]
次、代謝性アルカローシスですね。これは代謝性アシドーシスの逆を考えればいいわけですよね。
今度はHCO₃⁻が蓄積したりとか、H⁺が喪失する場合っていうのを考えればいいかなと思います。
📊 代謝性アルカローシスの原因
1. 嘔吐・胃液吸引
機序:胃酸(H⁺)が喪失する
対応:生理食塩水の投与で補正される(生食反応性)
2. 利尿薬の使用
機序:腎臓からH⁺が排泄され、HCO₃⁻が貯留する
対応:利尿薬の調整、電解質補正
3. その他(内分泌疾患、尿細管障害など)
機序:複雑な病態
対応:原疾患の治療
🔍 生食反応性 vs 生食抵抗性 [07:53]
代謝性アルカローシスは、尿中クロール(Cl⁻)を測定することで、対応が変わります。
💧 尿中クロールで判断する
尿中Cl⁻ < 20 mEq/L(生食反応性)
- 原因:嘔吐、胃液吸引など、H⁺が喪失している
- 対応:生理食塩水の投与で補正される
尿中Cl⁻ > 20 mEq/L(生食抵抗性)
- 原因:高血圧を伴う内分泌疾患、利尿薬など
- 対応:原疾患の治療が必要
なかなかね、これらの鑑別っていうのは少し難しいんですよね。
なので、この血液ガス分析っていうものの解釈をする中で大事なのは、この生食が必要な代謝性アルカローシスかどうかってところの判断までができれば、個人的にはいいかなと思います。
具体的にこれらのさらに細かいような鑑別とか診断をするっていう時には、追加の検査とかが必要になってくるので、そもそもこの生食を投与しないといけないような、この代謝性アルカローシスかどうかっていうところが判断できるところまでで、まずは及第点かなと思います。
病態4:呼吸性アシドーシス [08:47]
そして呼吸性アシドーシスですね。
Bの評価とかをイメージすると分かりやすいかなと思います。
🫁 呼吸のプロセスを考える [09:42]
どんな風に呼吸がトリガーされて、呼吸っていうものの工程が行われているかっていうところを改めて考えるといいかなと思います。
🧠 呼吸のプロセス
- 脳:呼吸をするという指令
- 脊髄・末梢神経:指令が伝達される
- 呼吸筋:筋肉が収縮する
- 横隔膜・胸郭:陰圧になり、肺が膨らむ
- 気道:開通している気道から空気が通る
- 肺:肺が膨らんで、CO₂が排出される
これらのどこかに異常が起きたら、この呼吸性のアシドーシスになるわけですよね。
📋 呼吸性アシドーシスの原因
- 中枢性:意識障害、鎮静薬の過量投与など → 呼吸指令が出ない
- 神経・筋肉:神経筋疾患、呼吸筋疲労など → 筋肉が動かない
- 気道閉塞:COPD、喘息重積、気道異物など → 空気が通らない
- 肺実質:重症肺炎、肺水腫など → ガス交換ができない
例えば呼吸筋疲労とかっていうのは、この呼吸筋というものがどんどんと弱くなっていくので、この換気障害が起きるとか、そもそも意識障害がある時っていうのは、このCO₂が貯留するわけですよね。
なので、この呼吸っていうものがどういうふうに起きるかっていうところと、それぞれの構成要素のどこかに異常がないかなっていうのを見るのが、この呼吸性アシドーシスのポイントになるわけです。
病態5:呼吸性アルカローシス [10:28]
そしてラストですね。呼吸性アルカローシスの場合ですね。
これは結局過換気になってる時になるわけですよね。
📊 呼吸性アルカローシスの原因
- 過換気症候群
- 肺塞栓
- 敗血症
- 不安、痛み
- その他の頻呼吸をきたす病態
⚠️ 頻呼吸は怖い〜代償反応を見逃すな〜 [11:28]
その中で一番大事というか、過換気を見た時にまず考えないといけないことっていうのが一つあるとすれば、この代謝性アシドーシスの代償として頻呼吸をしている場合っていうのを考えないといけないんですね。
この腎臓と肺っていうのは、それぞれ代償するっていうのをお伝えしました。
ただ、この腎臓の代償っていうのは結構時間がかかって、一方でこの肺の代償っていうのは結構スピーディーに行われるっていうのが特徴であるわけですよね。
🚨 頻呼吸の裏に隠れているもの
例えばアニオンギャップが開大するような代謝性アシドーシスですね。
例えば敗血症とかによって、この乳酸が溜まった時、高乳酸血症によるアシデミアが起きている場合っていうのは、頑張って体は頻呼吸になって代償しようとするわけです。
肺っていうのは代償のスピードが速いので、どんどんどんどん頻呼吸になってね、呼吸性アルカローシスになるわけです。
なので、この呼吸性アルカローシスっていうものは単に頻呼吸なんだねって思いがちなんですけど、実はその後ろにこの代償をしないといけなくなっているような、この敗血症とか、中毒みたいな、治療介入しないといけないものが裏に隠れてる可能性があるよっていうのをぜひ覚えておいてください。
なのでね、頻呼吸を見たら必ず何かの代償じゃないかっていうのを覚えておくっていうのが、呼吸における鉄則になると思います。
これらを意識すると、呼吸性アルカローシスを見たことによって、結果的に「え、これって裏に実は肺塞栓が隠れてるんじゃない」とか「敗血症が隠れてるんじゃない」とかっていうのが分かるようになるということなんですね。
頻呼吸っていうのはやっぱり怖いとぜひ覚えておいてください。
💡 吹き出し|三谷のコメント
「頻呼吸を見たら、まず『代償じゃないか?』って疑うんだ。敗血症や肺塞栓で代謝性アシドーシスがあって、それを代償するために頻呼吸になってる可能性があるからね。見逃すと命に関わるよ。」
次のステップ:例題で練習しよう
ここから例題を解きながら、実際に解釈を極めていってもらえたらなと思います。
5ステップで力を見つけて、この5つの病態のどれに該当するかを判断して、原因を鑑別して、介入する。
この一連の流れが、血液ガス分析の「守破離」における「破」なんです。
型を身につけて、病態ごとの介入を学ぶ。
そして最終的には、型にとらわれずに自在に使いこなせるようになる。
それでは、お疲れ様でした。





