救急現場で必ず使うバックバルブマスク。でも、「どれがバックで、どれがバルブで、どれがマスクなのか」って、意外と曖昧なまま使っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、バックバルブマスクの各パーツの名称と役割、そして実際の使い方のコツまで、2分でサクッと整理します。
「アヒルの口ぐらい」という具体的なイメージで、過換気を防ぎながら適切な換気を行う方法を一緒に学んでいきましょう!
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バックバルブマスクの3つのパーツ
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バックバルブマスクは、名前の通り3つの主要なパーツから構成されています。それぞれの役割を正しく理解することで、より効果的な換気が可能になります。
1. バック(Bag)
実際に手で揉んで送気を行うための部分です。ゴム製の袋状になっており、これを押すことで患者さんに空気を送り込みます。
2. バルブ(Valve)
患者さんへ送気する際の弁の部分です。どちらか一方向にだけ空気が流れるようにする、つまり逆流を防ぐのがこのバルブの役割です。
これにより、患者さんからの呼気がバッグ内に戻らず、衛生的で効率的な換気が可能になります。
3. リザーバー(Reservoir)
一見バックに見える透明な袋状の部分ですが、これは実は「リザーバー」と呼ばれるパーツです。
酸素配管から供給される純酸素を貯めておくための袋で、これがあることで高濃度酸素での換気が可能になります。
4. マスク(Mask)
患者さんの顔にフィットさせて換気を行うためのパーツです。適切なサイズを選び、しっかりと密着させることが重要です。
バックバルブマスクの構成要素
- バック: 手で揉んで送気するゴム製の袋
- バルブ: 一方向にのみ空気を流す弁(逆流防止)
- リザーバー: 純酸素を貯める透明な袋
- マスク: 患者さんの顔に密着させる部分
実際の使い方のコツ:「アヒルの口」を意識する
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実際に患者さんに使用する際は、マスクの部分に人工鼻を装着して換気を行います。
過換気に注意!
バックを強く、たくさん揉んで換気させようとしてしまう方も多いのですが、これでは換気が過剰になってしまうことがあります。
過換気は以下のような問題を引き起こす可能性があります:
- 胃への空気の流入(誤嚥リスク増加)
- 胸腔内圧の上昇(静脈還流の低下)
- 肺損傷のリスク
適切な換気量の目安
「アヒルの口ぐらい」を意識しながら、軽く揉んであげるぐらいで十分な換気を行うことができます。
具体的には:
- バッグを完全に押しつぶす必要はない
- 胸郭が軽く上がる程度が目安
- 1回の換気に約1秒かける
- 成人の場合、6〜7mL/kgの一回換気量を目指す
過換気にならないよう意識しながら換気を行うことが、安全で効果的なバックバルブマスク換気の鍵です。
バックバルブマスク換気の重要ポイント
- 「アヒルの口」を意識: バッグを完全に押しつぶさない
- 軽く揉む程度: 強く揉みすぎると過換気になる
- 胸郭の動きを確認: 軽く上がる程度が適切
- 1回の換気に約1秒: ゆっくりと確実に
まとめ
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今回の動画では、バックバルブマスクの構造と使い方のコツについて解説しました。
重要なポイントを振り返りましょう。
- バックバルブマスクは4つのパーツ(バック、バルブ、リザーバー、マスク)から構成される
- リザーバーは純酸素を貯める袋で、高濃度酸素投与に必要
- バルブは一方向弁で、呼気の逆流を防ぐ
- 「アヒルの口」ぐらいの力加減で、過換気を防ぐ
- 胸郭が軽く上がる程度が適切な換気量の目安
救急現場で確実な換気を行うために、これらのポイントを日々の練習に活かしていきましょう!





