Qラボ

Qラボで申し送らナイト【2026年5月23日公開収録】

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こんばんは、踊る救急医です。
5月23日(土)リアルタイムセミナーお疲れ様でした!

Qラボ限定ポッドキャスト「Qラボで申し送らナイト」の第2回をお届けしました。

5月のテーマは 「人工呼吸」

アーカイブセミナー+リアルタイムセミナーで一緒に学んできた内容を、確認問題10問で一気に総復習しました。

後半は、皆さんからいただいたマシュマロ2通に、じっくり時間を取って回答しました。

リアルタイムで参加できなかった方も、この記事を読めば収録のエッセンスがぎゅっと掴めるように整理しています。

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  1. 「Qラボで申し送らナイト」って、どんな番組?
  2. 5月の振り返り|人工呼吸器、最初のとっかかりになりましたか?
  3. 確認問題10問でおさらい|人工呼吸器の基本
  4. マシュマロ回答コーナー
  5. 6月のテーマ予告
  6. どうですか?あなたの感想を聞かせてください。

「Qラボで申し送らナイト」って、どんな番組?

📋 番組の基本情報

  • 配信タイミング:毎月第4土曜のリアルタイムセミナー後(21:30〜22:00)
  • 配信時間:30分を目安(盛り上がるとちょっと延びます◎)
  • 配信先:Qラボ限定(クローズドな場でゆっくり話せる安心感を大切に)
  • 内容:確認問題の答え合わせ、マシュマロ回答、近況、来月の予告など

私は普段、 SNSでは「踊る救急医」名義で発信していて、 YouTube/Spotifyでは 「踊る救急医の申し送らナイト」 というポッドキャストを配信しています。臨床のテーマからキャリアやゆるい雑談まで、幅広く話しているので、まだ聞いたことのない方はぜひそちらも覗いてみてください◎

このQラボ版「申し送らナイト」は、それとは別物。Qラボメンバー限定で、月1回のリアルタイムセミナー直後にゆるりと収録する、よりクローズドで双方向な番組です。

5月の振り返り|人工呼吸器、最初のとっかかりになりましたか?

正直に言うと、 5月の人工呼吸シリーズは 絶対に難しかっただろうな と思っています。人工呼吸器って、セミナーだけで全部を理解するのは本当に難しいテーマなんですよね。

でも、 1ヶ月かけて気道→呼吸→換気→酸素化→モード→グラフィック…と積み上げてきたことで、皆さんにとって 「最初に人工呼吸器を触ってみよう」 と思えるとっかかりにはなれたかな、と思います。

人工呼吸器って、救急やICUなど触る機会の多い部署にいないと、なかなか日常的には見ない機械なんですよね。
僕自身も整形外科医として3年半勤務していた時期は、人工呼吸器に触る機会はぐっと減りました。だからこそ、 普段触らない職種・診療科の方が「最初の一歩」を踏み出せる場になっていたら嬉しいです。

 

ER勤務でも、肺が悪くなくても気管挿管〜カテーテル治療に向かう症例、呼吸不全・ショック・気道閉塞での挿管管理など、人工呼吸器に触れる場面は意外と多くあります。

今回学んだ知識を入り口にして、ぜひ皆さんの施設で実際の症例を「見るきっかけ」にしてみてください。

確認問題10問でおさらい|人工呼吸器の基本

オープンチャットで事前に共有した 10問の確認問題

 

当日はリアルタイム参加者と一緒に、チャットで答えを送り合いながら答え合わせをしました。ここでは、各問のポイントだけギュッとまとめておきます。

Q1. 吸気時に肺を広げる直接の力はどれ?

A. 横隔膜の収縮 胸腔が広がって陰圧になり、圧較差で空気が流入する──いわゆる「陰圧呼吸」の基本イメージ。

Q2. 低酸素血症のうち、FIO2を上げても改善しにくいものは?

A. シャント 肺胞でガス交換ができていない状態なので、 FIO2をいくら上げても効きにくい。院内急変アーカイブの「Bの異常」も合わせて復習を◎

Q3. PaCO2の規定に最も関与するのは?

A. 分時換気量(MV/minute volume) = 1回換気量 × 呼吸回数。FIO2やPEEPはPaO2側の因子。今月、僕がしつこく繰り返した最重要キーワードのひとつ。

Q4. PS+CPAPの特徴は?

A. 呼吸仕事量が減る 吸気・呼気のタイミング、呼吸回数、吸気時間は 患者自身 が決め、装置は「圧だけ」をサポートする。

Q5. VCV(従量式)の特徴は?

A. 換気量を規定する 1回換気量を決め打ちで送り込むモード。圧は結果として変動する。

Q6. PCV(従圧式)の特徴は?

A. 圧を規定する 吸気圧の上限を決め、その結果として換気量が変動する。VCVと対になるイメージで覚える。

Q7. 1回換気量の目標値として適切なのは?

A. 6〜8 mL/kg(予測体重) ポイントは 「予測体重で計算する」 こと。骨格・胸郭・臓器サイズは身長に依存するため、実体重で計算すると過大送気になりやすい。

Q8. PEEPの役割はどれ?

A. 呼気終末に陽圧をかけ続けることで、肺胞の虚脱を防ぐ ひいては酸素化の改善に寄与する。

Q9. 人工呼吸管理中、CO2貯留に対する対応として適切なのは?

A. 呼吸回数を増やす(or 1回換気量を増やす) =分時換気量を増やす方向に動かす。Q3とセットで体に染み込ませたい。

Q10. 気道抵抗上昇のアラームが鳴ったら、まず何をする?

A. 患者さんの様子確認+人工呼吸器回路のチェック もちろん全部大事ですが、まず行うのはここ。

あわせて、定番のフレームワーク 「DOPE」 で原因を絞り込みます。

  • Displacement(チューブのずれ・抜け)
  • Obstruction(チューブの閉塞・痰詰まり)
  • Pneumothorax(気胸)
  • Equipment(人工呼吸器・回路のトラブル)
これらの問題、 5月のセミナー前にいきなり解いていたら、絶対に難しく感じたはず。それが今スイスイ答えられるって、皆さんめちゃくちゃレベルアップしているということです。リアルタイムセミナー最後にやったオートPEEPや肺メカニクスの話で「うわ難しい!」と感じた方も大丈夫。あれはマックスで覚えてほしいところを詰め込んだ内容なので、今は「触れた」「聞いた」だけで十分です◎

マシュマロ回答コーナー

① 高度代謝性アシドーシスと人工呼吸器の適応判断

東京ベイ・腎臓内科の平井先生から。
「DKAや腎不全+ショックなど、高度代謝性アシドーシスの呼吸性代償/代償破綻による呼吸仕事量増加の症例で、先生はどんな基準で人工呼吸器の適応を判断していますか? 代謝性アシドーシスの介入が速やかにできそうなら、呼吸数が多くても少し待つこともありますか?」

すごく実践的で、現場で本当に悩むテーマですよね。結論からお話しすると、僕は 「アシドーシスにどれだけ早く介入できそうか」「呼吸様式・呼吸仕事量がどれだけ持ちこたえられそうか」2軸 で判断しています。

💡 判断の2軸

  • ① 原疾患への介入スピード:DKAでインスリン+輸液負荷を早々に始められる/効きそうな状況なら、呼吸代償も改善が見込めるので、即時挿管せず経過観察も選択肢に。
  • ② 呼吸様式・呼吸筋疲労:起座呼吸、補助呼吸筋の使用、患者の「しんどい」という訴え、呼吸回数のトレンドなど。やせ型高齢者は呼吸筋疲労が早いので閾値を下げる。20代DKAの若者なら少し待てる、というように ベースの予備能 も加味する。
救急の現場って、不確定要素の中で意思決定をしながら進めていく場所ですよね。だからこそ大事なのは 「再評価のタイミングと指標を、最初の意思決定とセットで決めておく」 こと。
「今は挿管せずに代謝性アシドーシスの治療を優先する。30分後・1時間後の血液ガスでCO2が溜まってきていないかを見て、もし呼吸筋疲労によるCO2上昇+pH低下が出てきたら、迷わず挿管に切り替える」──そんな タイムマネジメント込み の意思決定が、自分の中ではしっくりきています。

心不全・COPDでまずNPPVをトライするのと同じで、 サポートを乗せた上で再評価ポイントを明確に置く 。これが急変対応で迷わなくなるコツだと思っています。

② 気道熱傷(気道損傷)の患者観察ポイント

ICU看護師さんから。
「屋内での熱傷で気道熱傷が疑われ、球外で気管支鏡を施行し少量の煤の付着あり。気道浮腫はなく高濃度酸素投与下で経過観察になりました。数時間で増悪するリスクを意識し、嗄声・喘鳴・呼吸数・呼吸様式・酸素化・バイタルを観察していましたが、看護師としてさらにできる観察があれば教えてください」

もうこの質問文の中に、ほぼ100点の答えが書かれています。嗄声・喘鳴・呼吸音・呼吸数・呼吸様式・SpO2・バイタル ──これらをベッドサイドで丁寧に経時評価していただけるなら、本当に十分以上です。聴診所見の変化も合わせて拾えると◎

🔁 言葉の整理|「気道熱傷」→「気道損傷」

近年は 「気道熱傷(airway burn)」ではなく「気道損傷(inhalation injury)」 と呼ぶ流れになっています。熱による傷害だけでなく、煤・化学物質・一酸化炭素などによる粘膜障害・炎症も含む、より広い病態として扱う方が実臨床に合うため。表記が変わってきている点、知っておくとよいです。

また「屋内での熱傷+高濃度酸素投与下」というシチュエーションは、 CO中毒 の合併も意識した管理になっていたはずです。

⚠️ 輸液戦略のマインドセット──熱傷の「型」で変える

  • 気道損傷がメインの患者さん:輸液はやや控えめ+尿量トレンドで微調整。輸液過多が気道浮腫を悪化させ、増悪サインを誘発する。
  • 重症熱傷(バーンインデックスが高い)+気道損傷:BIに基づいた輸液量が必要なので、ある程度の浮腫増悪は 織り込み済み で密にモニタリング。
  • 近年のトレンド:米国の熱傷ガイドラインでは、従来の BI × 4 mL/kg ではなく BI × 2 mL/kg で計算する流れに。輸液過剰による臓器障害(気道含む)を避けたい、という考え方。

看護師としての観察に加えて、 「いま輸液はどれくらい入っているか」「尿量はどう動いているか」 を医師と一緒に見て、増悪サインと輸液量の相関を共有してもらえると、 ICU全体としてのマネジメントの質がぐっと上がります。

6月のテーマ予告

4月「気道」、 5月「呼吸(人工呼吸)」と積み上げてきました。5月はあと1週間、 復習期間+限定記事配信で着実に定着させていきましょう。6月からはまた新しいテーマで一緒に学んでいきます。

 

  • 次回「Qラボで申し送らナイト」:6月第4土曜のリアルタイムセミナー後、 21:30〜22:00を予定

どうですか?あなたの感想を聞かせてください。

第2回「Qラボで申し送らナイト」、いかがだったでしょうか。
確認問題10問の答え合わせで皆さんがスイスイ答えてくれた瞬間、「ああ、 1ヶ月本当に積み上がっているな」と実感できて、とても嬉しかったです。

人工呼吸はゴールではなく入り口。今回スッキリしなかった問題があれば、ぜひもう一度アーカイブセミナーを 1.5倍速 あたりでサクッと見返してみてください。1回聞いた後の倍速再生は、定着スピードがびっくりするほど上がります(僕がとにかく早口なので、 2倍速は聞き取れない説もありますが…)。

マシュマロは「感想だけ」「ちょっと困っていること」「相談したいこと」、なんでも大歓迎です。マシュマロ1通=3pt、 10通送ってくれたら有料セミナー1本(30pt)が無料で見られる計算。何より僕がすごく嬉しいので、気軽にどんどん送ってください◎

それでは、また6月の第4土曜、 21:30からお待ちしています。一緒に学びを深めていきましょう。