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血液ガス分析ってどんな検査?【Qラボセミナー 2026年1月 その1】

🎥 動画で学ぶ


ようこそ、血液ガス分析の世界へ! [00:00]

医療の現場で活躍するためには目の前の患者さんの状態を素早く評価し、治療してあげることが重要となります。

そんな時、頼りになるのが血液ガス分析なんです。

でも、正直に言うと。

「pHとかPCO₂とか、数字がたくさん出てきて何から見ればいいかわからない…」

「酸塩基平衡って、学生の時に勉強したけど、臨床でどう使うの?」

こんな風に思ったこと、ありませんか?

この記事では、血液ガス分析を「守破離」のステップで学ぶ方法をお伝えします。型を学び、病態ごとの介入を身につけ、最終的には自在に使いこなせるようになる。

そんな旅のはじまりです!

血液ガス分析は、とても頼りになる [00:31]

血液ガス分析は、数mLの血液から、呼吸・循環・代謝の状態まで分かる、とても便利な検査です。

検査料も約1,350円(135点より換算)と、ほかの検査と比べても安く、しかも約数分で結果が出るというスピード感が、臨床の現場では何よりも助かるんですよね。

では、具体的に何がわかるのか、整理してみましょう。

🔍 血液ガス分析でわかること [01:17]

1. 呼吸の評価

  • 酸素化:PaO₂(動脈血酸素分圧)
  • 換気:PaCO₂(動脈血二酸化炭素分圧)、pH

2. 循環の評価

  • ラクテート(乳酸):ショックや組織低灌流の指標

3. 酸塩基平衡

  • pH、PaCO₂、HCO₃⁻(重炭酸イオン)、アニオンギャップ

4. その他

  • 電解質(Na、K、Cl)
  • 血糖値
  • ヘモグロビン
  • COヘモグロビン(一酸化炭素中毒の評価)

普通の採血でもわかる項目もありますよね。電解質とか、血糖とか、ヘモグロビンとか。

でも、ラクテート、酸塩基平衡、COヘモグロビンは、血液ガスじゃないとわからないんです。

そして何より、これだけの項目が数分でわかるというのが、重症患者さんの評価を経時的に行う上で、本当に頼りになるわけです。

だけど、万能な検査ではない [04:05]

便利な検査である一方で、使う側がしっかりと意図を理解しないと、その検査に振り回されることになってしまうんですよね。

例えば、こんな疑問が湧きませんか?

🤔 血液ガスを取る前に考えるべきこと

  • そもそも、この患者さんに血液ガスは必要なのか?
  • 動脈血で取るべきか、静脈血で十分か?
  • 結果が出た後、どんな介入をするのか?

血液ガス分析を解釈できた後には、これらの意思決定をしないといけないと。

どれだけ有用な検査であっても、使う側が振り回されては意味がないんです。


どんなときに血液ガスをとる? [04:57]

すごくわかりやすく言うと、「重症かもしれない」と思った時は、基本的に取ると思ってもらっていいかなと思います。

🚨 血液ガスを取るべき場面

1. 生理学的異常がある時

バイタルサインの変動、ABCDがおかしくなっている時ですね。

✅ 具体的には

  • 呼吸(B)の評価:酸素化と換気がわかる
  • 循環(C)の評価:ラクテートでショックかどうかを判断
  • 意識障害(D):低血糖の否定

2. 患者さんの予備力がない場合 [05:53]

これがイメージつきにくいかもしれないんですけど、重要なポイントなんです。

  • 高齢者
  • 免疫不全
  • 腎不全、心不全、肝不全など臓器障害がある
  • 急性発症の危険な病気がある

こういった患者さんは、何かのきっかけで一気に非代償性になってしまうんですよね。

なんとか体の臓器っていうのは、状態を恒常化するように代償反応をするわけですけど、予備力がない場合っていうのは一気に破綻してしまうわけですよ。

だからこそ、早めに血液ガスで評価することが大切なんです。


動脈血で取る?静脈血で取る? [06:49]

血液ガスを取りましょうという時に、悩ましいのが「動脈血(Aガス)で取るか、静脈血(Vガス)で取るか」ってところですよね。

実は、項目によっては静脈血でもかなり推測できるんです。

📊 動脈血と静脈血の違い

項目 動脈血と静脈血の関係
pH ほぼ一緒
HCO₃⁻ ほぼ一緒
PCO₂ 静脈血の方が高い
→ Vガスで45より低ければ、Aガスでも貯留なし
ラクテート Vガスで正常範囲内なら、Aガスでも正常

つまり、静脈血で換気不全やショックを否定することはできるんですよね。

🩸 動脈血で取るべき場合

  • SpO₂が測定できない時(ショックで末梢循環が悪い時など)
  • 高度なショックで、ラクテートの推移が気になる時
  • 酸素化(PaO₂)を正確に評価したい時

逆に言うと、それ以外の時は結構静脈血で推測できるっていうのは、ぜひ覚えておくといいかなと思います。


守破離で学ぶ、血液ガス分析 [07:38]

ここからは、皆さんに「守破離」の流れに沿って血液ガスを学んでもらいたいなと思うわけですよ。

守破離って皆さん聞いたことありますかね。茶道とか華道とか、まるまる道みたいなものを極めましょうっていう時に、この考え方が出てくるんですけど。

🥋 守破離のステップ [08:39]

【守】型を徹底的に学ぶ

血液ガス分析の解釈の型を学び、その型通りに評価する。

→ まずは基本の5ステップで解釈できるようになる

【破】病態ごとに介入する

解釈をもとに、それぞれの病態ごとに介入していく。

→ 自分なりの介入の方法をマスターする

【離】型にとらわれず自在になる

型を超えて、患者さんの状態に応じて柔軟に対応できる。
→ 達人の域

この守破離を意識してね、皆さんこの血液ガスをマスターしてもらったらなというふうに思うわけです。

最初は「代謝性アシドーシス」という名のボスが強大に見えたり、複雑な病態を合併する患者さんの解釈はダンジョンのように感じるかもしれません。でも武器となる知識を1つずつ増やしながら進めば、気づけば次の難敵にも自然と立ち向かえる力が身についています。


酸塩基平衡って、何だろう? [09:34]

ここから、血液ガス分析の核心である「酸塩基平衡」について学んでいきましょう。

🧪 pH(ペーハー)とは? [10:29]

理科の授業で見たことあるかなと思うわけですけど、人間の体においては、pH 7.35〜7.45が正常範囲なんです。

📏 pHの基準

  • pH < 7.35:アシデミア(酸性に傾いている)
  • pH 7.35〜7.45:正常範囲
  • pH > 7.45:アルカレミア(塩基性に傾いている)

このpHっていうのは、体の中で平衡を保たれているわけです。なので、「酸塩基平衡」と呼ばれたりするわけですけど。

⚖️ pHを保つ3つの仕組み [11:28]

では、体はどうやってこのpHを保っているのか?

実は、3つの大きな仕組みがあるんです。

🫁 1. 肺(呼吸)

PaCO₂を調整する

  • CO₂が溜まると → 酸性に傾く
  • CO₂を吐き出すと → 塩基性に傾く

🩺 2. 腎臓

HCO₃⁻(重炭酸イオン)を調整する

  • HCO₃⁻を体に取り込む → 塩基性に傾く
  • HCO₃⁻を尿から排出する → 酸性に傾く

🧬 3. 緩衝系

リン酸、ヘモグロビン、血漿蛋白など
急激な変化を和らげる

この3つで、pHのバランスが保たれているんですね。


呼吸性と代謝性、4つの力関係 [12:23]

肺と腎臓がどんな風にpHを保っているのかを理解するには、この式を一つ覚えておくとすごくわかりやすいかなと思うんですよね。

💡 酸塩基平衡の基本式

CO₂ + H₂O ⇄ H₂CO₃ ⇄ H⁺ + HCO₃⁻

  • CO₂が増える → H⁺が増える → 酸性に傾く
  • HCO₃⁻が増える → 塩基性に傾く

つまり、こういうことなんです。

🌀 4つの力:アシドーシスとアルカローシス

体の中では、常に4つの力が働いています。

📉 アシドーシス(酸性に傾ける力)

1. 呼吸性アシドーシス

  • 原因:換気が不十分 → CO₂が体に溜まる
  • 例:COPD、喘息重積、呼吸筋疲労

2. 代謝性アシドーシス

  • 原因:HCO₃⁻が減る、または酸(H⁺)が増える
  • 例:腎不全、糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス

📈 アルカローシス(塩基性に傾ける力)

3. 呼吸性アルカローシス

  • 原因:過換気 → CO₂が過剰に排出される
  • 例:過換気症候群、不安、痛み

4. 代謝性アルカローシス

  • 原因:HCO₃⁻が増える、または酸(H⁺)が減る
  • 例:嘔吐、利尿薬の使用

これらの力が体の中で色々起きてるわけです。

そして、血液ガス分析における解釈っていうのは、こういった力がどんなものがあるのか、それがいくつあるのかを解き明かすことなんですよね。


代償反応って、何? [13:13]

ここまで聞いて、こんな疑問が湧きませんか?

「pHが酸性に傾いたら、体はどうするの?」

実は、体はすごく賢くて、異常が起きたら、それを元に戻そうとする仕組みがあるんです。これを「代償反応」と言います。

💡 代償反応の例

例:呼吸性アシドーシスが起きた場合

  • 原因:換気不全でCO₂が溜まる → pH低下(酸性に傾く)
  • 代償反応:腎臓がHCO₃⁻を増やして、pHを正常に戻そうとする

例:代謝性アシドーシスが起きた場合

  • 原因:HCO₃⁻が減る → pH低下(酸性に傾く)
  • 代償反応:肺が過換気してCO₂を排出し、pHを正常に戻そうとする

こんな風にしてですね、様々な方法で、アシデミアとかアルカレミアに傾いてしまったものを、なんとか中性の域になるように体の中で代償するわけです。

なんでこれをするかっていうと、過剰にアシデミアやアルカレミアに傾くと、様々な臓器障害や体に不都合が起きるからなんですよね。

場合によっては致死的な不整脈が起きたりとか、循環力が落ちて命に関わると。

そういうことを防ぐために、体は自動的に代償するわけですけど、加えてですね、どんな風に傾いているかっていうところを血液ガスで早めに認知して治療してあげるっていうことが、患者さんにおいてすごく大事になるわけですよね。


次のステップ:5ステップで解釈する [14:15]

今日学んだことをまとめると、こんな感じですね。

✨ 今日のポイント

  1. 血液ガスは数分で、呼吸・循環・代謝がわかる頼れる検査
  2. 「重症かも」と思ったら、基本的に取る
  3. 静脈血でもかなりの情報が得られる(pH、HCO₃⁻、ラクテート)
  4. 守破離のステップで学ぶ
    • 守:型を学ぶ
    • 破:病態ごとの介入を身につける
    • 離:自在に使いこなす
  5. 酸塩基平衡は4つの力のバランス
    • 呼吸性アシドーシス/アルカローシス
    • 代謝性アシドーシス/アルカローシス
  6. 体は代償反応で、pHを正常に保とうとする

次回は、血液ガス分析の「型」である5ステップでの解釈方法を学んでいきます。

具体的には、こんなステップですね。

  • ステップ1:アシデミアかアルカレミアか?
  • ステップ2:呼吸性か代謝性か?
  • ステップ3:代償は適切か?
  • ステップ4:アニオンギャップは?
  • ステップ5:補正は必要か?

このステップを使えば、どんな血液ガスの結果でも、迷わず解釈できるようになるんです。


さあ、はじめましょう

どうですか?あなたの感想を聞かせてください。

血液ガス分析というダンジョンへ飛び込み、知識というTipsを集める旅のはじまりです!

一緒に学び、一緒に悩み、そして一緒に成長していきましょう。

その瞬間、私たちは同じ道をたどる旅の同行者になれるはずです。


📚 次回予告

「血液ガス分析の5ステップ〜型を身につけて、どんな症例も解釈できるようになる〜」

アニオンギャップの計算、代償の適切性、具体的な症例での解釈方法を学びます。お楽しみに!