今日も記事をご覧くださり、ありがとうございます。
この度、所属医局の教授監修のもと、単著『みんなの救急救命科』を執筆させていただきました!
今回の記事は、普段から勉強会の運営でも非常にお世話になっております、リハビリの輪を繋げるWEBメディア「リハノワ」運営代表の河村(かわむー)さんに、当書籍の出版に関してインタビューしていただいた内容をまとめた記事となっております。
かわむー(本名:河村由実子)
リハビリの輪を繋げるWEBメディア「リハノワ」代表。リハビリ当事者や関係者に病院内だけでは得られない「質の高い情報」を提供することをMISSIONに2019年11月より運営を開始。
リハビリ当事者に寄り添い、本当に求められる情報を選択肢として届けることで、リハノワに関わる全ての方の人生がより豊かになる世界を創造することを目指す。
私が上梓した、救急診療の中でも「初期対応の治療の大原則」に焦点を当てた『みんなの救急救命科』。
この書籍を出版するにあたり、
- 私が執筆にあたって工夫したことや大変だったこと
- 当書籍はどんな方々にとってどのように役に立つのか?
- 出版に込めた私の想い
についてお話しさせていただきました。
1.クリエイターを目指して
プロフィール
当ブログ著者
踊る救急医
出身地:広島県
職業:医師(救急科専攻)
趣味:ダンス、写真、情報発信
まずは、先生が医師を目指したきっかけについて聞かせてください。
そもそも、私の母は看護師であり家の近くの開業医で働いていました。学校が終わるとクリニックに行き、母の仕事が終わるのを待っていることも多かったんです。そのおかげか私にとって、医師という職業はずいぶん身近だったように思います。
ただ小中学校の時、実はクリエイターになりたかったんです。
小学校のときはロボットの漫画をつくったり、オリジナルキャラクターを作ったりするのが好きで、作品を生み出しては友達にみてもらっていました(笑)。
私の一番最初の夢は、ピクサーに入ってトイストーリーなどの映画製作・クリエイターになることだったと記憶しています。
昔から作る・生み出すのは好きでした。人生の目標として「作ること・生み出す」を志したのも、この頃でした。
そして、医師になることを最終的に決めたのは高2でした。
学生時代はずっとバレーボールをしていて、坊主頭にして結構本格的に打ち込んでいました。ですが、引退試合の直前で腰椎すべり症(疲労骨折)をしてしまい、不完全燃焼のまま中学時代は引退となりました。
それから半年間は、コルセットをしてリハビリをしていたのですが、そこで素敵なスポーツドクターの先生に出会ったんです。
ちょうどその時に、学校の授業課題で周りの大人への職業体験でインタビューする機会があって、僕はその先生にインタビューさせて頂けないかと相談したところ、快諾していただきました。懐が広いですよね。
その話を聞いて、「スポーツ選手の悩みに真摯に向き合う姿勢がかっこいいな、自分も先生の様に人の役に立ちたいな」と思い、医師を目指しました。
部活動での怪我を原体験として、医師になろうと思ったんですね。
ところで三谷先生は、医師として臨床業務をするだけでなく、ブログの運営など情報発信を精力的にされていますよね。
どの様な思いで現在の活動をされているのですか?
まず、活動の源として、クリエイター気質というところがあると思います。
もともと、何かを作って、発信することが割と苦にならないというか、好きなんです。
ブログの執筆のきっかけは、初期研修医時代にUSMLEの学習をはじめ、運よく試験に合格できた体験を母校の多くの後輩に尋ねられたことでした。
思った以上に自分の経験は需要があるのだと感じ、この経験をブログで情報発信したら、自分と同じように医学英語を学びたいと思っている後輩たちの参考になるのではないかと思ったんです。
それから救急医として働き始めてからは、自分が困ったことや勉強したことをまとめ、発信することで、後続の医師たちの苦労が少しでも減るだけでなく、全国各地の後輩である研修医の先生方の学習に貢献できるのではないかという想いがありました。
そのため、今でも継続してブログやスライド共有、動画などを用いて、私なりの学びを発信させて頂いています。
2.活動の原動力は、「わくわく、楽しい、好奇心」にあり
高校、大学時代はストリートダンスに夢中でした。高校ではダンスサークルを立ち上げて、学園祭でも発表をしましたね。これが学内でも好評だったんです。
その後大学でもダンスサークルに入って、そこにレッスンしにきてくれる先生のスタジオに通い詰めるようになり、どっぷりダンスにはまりました。
週7-8回レッスンを受けていましたね(笑)
そこで出会ったメンバーと全国各地のコンテスト、バトルイベントの大会に積極的に出場していました。
作品の振りや構成を作ったり、ダンスミュージックを作曲するのも好きでした。作曲が高じて、ダンスイベントではDJをしていた経験もあります(笑)。
その通りです。
ダンサーを撮っているカメラマンに憧れて、一眼レフを買って写真にもハマりました。
その後ダンスイベントや結婚式で専属カメラマンとして働いた経験もありましたね。
今思うと、勉学よりも自分の興味が赴くままに様々な活動に力を注いでいました。
国家試験直前まで、医師になるのは辞めてダンサーになろうかと思うくらい本気で悩んだ時期もありました。
そのことを伝えると、親が悲しそうな顔をしていたのを覚えています(笑)
同期のUSMLE合格や卒業旅行をきっかけに強くなった、医学英語学習への想い
今では、本を出版するほど医学学習や教育に打ち込んでおられると思うのですが、こちらに注力するようになったきっかけをお聞かせ下さい。
やはり国家試験ですね。
国家試験の勉強では、仲良しの数名で集まって勉強部屋で学ぶのですが、友人のおかげで楽しく勉強することができました。やっぱり勉強を始めてみると、それまであまり興味が持てなった医学を楽しく感じるようになったんです。
また、ちょうどそのころ勉強部屋の同期が、アメリカの医師国家試験(USMLE STEP1)に合格したんですね。
彼は4年生くらいからUSMLEの準備をしていたのですが、その子の影響もあってさらに医学英語の勉強もしようと思いました。
卒業旅行で、ロサンゼルス(西海岸)からニューヨーク(東海岸)まで勉強部屋のメンバーでキャンピングカーで横断する旅にでたことも、海外で医師として働いてみたいと思うきっかけになったかもしれません。
そこではみんなで将来について話して、将来自分もUSMLEとるぞってみんなに宣言したのを覚えています。無謀な宣言ですよね(笑)
それから研修医時代は、なんとか有言実行しようと思いUSMLEの勉強に没頭しました。
仕事をしつつ、実臨床の勉強もしながらだったので、これまで人生で経験した中で一番勉強した2年間だったと思います。
幸い、国内で取得できる段階(STEP1 STEP2CK)は終わらせることができました。
今後はコロナの状況を見つつ、自分が留学したいタイミングと合わせて英語学習は再開したいと思ってますね。
3.『みんなの救命救急科』へ懸けるこだわり
まず題材としてはPrimary surveyやABCDアプローチを扱ったのですが、初期対応の原則に特化した本は少ないですよね。
自分自身が研修医時代、後期研修1年目の急患対応で多く躓いたのはPrimary surveyの部分だったのですが、そこはどの本でも省略されがちだと感じていました。
ですから、この本は徹底的に「救急初期診療の原則」に焦点を当てているというところが、まず一つ目のこだわりです。
それに加えて、「若手の今の時期だからこそ初学者に寄り添える」という点も強く意識して執筆しました。
自分が救急診療で躓いたところを覚えているからこそ、躓きやすいポイントを網羅し徹底的に解説することにこだわりました。
また、イラストレーターの角野ふちさんとは何度も打ち合わせ、たくさんのイラストをこの書籍には盛り込みました。後から数えてみると、最終的には240点も作ってくださったみたいです。
イラストで注目すべきポイントをまとめ、強調することで写真で学ぶより印象に残りやすく楽しい、素敵なイラストを数多く作ることができたと確信しています。
一例として、MRIやCTなどは写真の方が画像的にわかりやすいのではないかという意見もあったのですが、イラストで敢えて表現することで頭に残りやすくなるのではないかと挑戦してみています。
さらに、他の書籍のキュレーション(いいとこ取り)にならないよう、なるべく自分の言葉で説明し、内容や具体例も他にない視点から執筆したいなと意識しながら書き進めました。
加えて、私自身が実臨床で先輩方から教えてもらってハッとした一言をなるべくシナリオ中には盛り込んでいます。
例えば、若手医師って他の職種から教えてもらうことって多いんですよね。
僕自身、看護師やセラピスト、救急隊の方々に学ぶことも多かったのですが、研修医時代に沢山お世話になった方々の、生きた言葉による教えを本書には盛り込みましたので、初学者の方々に響く言葉がきっとたくさんあるはずです。
題材としてPrimary surveyなどの初期研修に特化した本は少ないですよね。
さらにイラストを使ってわかりやすく、研修医の方々向けの言葉ということで、とても役に立つ方が多いのではないでしょうか。
4.『みんなの救命救急科』に期待すること
今回出版される『みんなの救命救急科』は、どんな人に読んでほしいですか?
また、どんな風に活用してほしいかなど、期待することはありますか。
『みんなの救命救急科』第一の想定読者は過去の自分です。
昔、初期研修医、後期研修1年目の自分が知りたかったことを徹底的に詰め込みました。
「救急診療の初期対応」に焦点を当てた本は少ないですから、そこで悩みを持つ初期研修医や救急を志す若手医師には、ぜひ読んでいただきたいと思います。
加えて、もう一つの想定読者として想定しているのは、すべての医療従事者や医療系の学生です。
この本のタイトルを「みんなの救命救急科」としたのは、どんな領域や職種の人にも救命救急の原則論は切っても離せないものだと感じているからです。
例えばどんな職種として、どんな病院で働いていたとしても、院内で突然急変することはありますし、街で突然目の前で人が倒れることもあるでしょう。
心肺蘇生についても徹底的に解説しているので、誰にとってもきっと役に立つことがあると願っています。
そうなんです。
そして、これまで出版されている救急の医学書は、医師側の立場や視点で書かれた本が多いですよね。
他の職種から教えてもらうことって本当に多くて、僕自身、今でも看護師やセラピスト、救急隊の方々から学ぶことも多いです。
この本では、ストーリーの会話の中でさまざまな職種の方に話してもらうように工夫したので、どの職種でも臨床ですぐに活用できる、生きた知識を身に着けてもらえたら嬉しいですね。
この書籍は、初期研修医だけでなくナース、救急隊など、全ての「初期対応をする可能性がある医療従事者」の方にも読んでいただけることを切に願っています。
深く学びたい方向けにかなり高度な内容も盛り込みましたが、初学者にも手にとってもらいやすい内容になっていると思いますので。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このインタビューでは、私自身のことを改めてお伝えさせていただく良い機会になりました。
私の書籍『みんなの救命救急科』では、「救急初期診療の原則」に焦点を当て、イラストを用いて、研修医だけでなく、さらにすべての医療従事者や医療系学生にとっても、わかりやすく楽しく学ぶことができるよう仕上げております。
本へのこだわりや、どのような方に読んでいただきたいかなども少し紹介させて頂きました。
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