【疑問】
今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、
ECMOの流量の規定因子は?
についてまとめました。体外循環に関わる、生理学の基本からのアプローチで一つずつまとめていきたいと思います。
1.ECMO流量の規定因子は?
ECMOの流量は、通常は脱血量が送血量の規定因子となります。
また、脱血管に影響を与える因子としては循環血漿量、血液の粘性などの患者側因因子があります。そして脱血管カニューレなどの装置側の因子もあります。
ここでカニューレについて考える際に基本となってくるのが以下の式です。この式はルートを取るときのゲージ数選択においても重要な公式なので是非覚えておくと良いです。
https://dancing-doctor.com/2020/08/19/ecmo-handbook/
●Hagen-Poiseuilleの式
カニューレのサイズと流量の関係性を示す式であり、流量はカニューレの太さ・長さが関与していることが一目でわかる式となっています。
特に太さは重要な因子です!
だから救急のショックの初療ではできるだけ太い18G針でルートを取ることが推奨されるのですね!
また、実際のカニューレのFr数と流量の関係を示したグラフが以下のものとなります。
このグラフからわかるように、脱血量を増やして流量を増やすには右房近傍にできるだけ近く、内筒の大きいカニューレを挿入する必要があるといえます。
次回は集中治療の領域で最も重要な概念の一つ、DO2とVO2についてです。
ECMOの場合にもこの式の概念はとても大切ですので興味がある方は是非ご一読ください。
2.参考ページ・医学ノート
3.引用文献
●SAVE-J ガイドライン
●ELSO Guideline ver1.3
●東京医科大学 八王子医療センター 救急救命センター HP
みなさまのリアクションが今後の記事を書くモチベーションになります!